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提物屋ニュースレター バックナンバー Vol.4

松尾芭蕉

春のお彼岸の季節になりました。
東京では、ソメイヨシノが開花したと発表されました。

さまざまの こと思い出す 桜かな   芭蕉

俳聖と呼ばれた松尾芭蕉(1644~1694)が
冒頭の句を詠んだのは、
元禄元年(1688)45才の時。

20代半ばで急逝した主君と共に見た
伊賀の桜を前にうたったこの17文字の詩は、
300年以上経た今も、私たちの心に
響くものがあります。

松尾芭蕉 根付 木刻 江戸時代 46㎜

写真の根付は、とても珍しい松尾芭蕉の意匠の作品です。
左手に短冊、右手に矢立をもっています。
矢立は、筆と墨を入れる携帯用筆記具で、
ペンや鉛筆のなかった江戸時代の人々にとっては、
なくてはならないものでした。

松尾芭蕉は、この句を詠んだちょうど1年あとの元禄2年、
崇拝していた西行の五百回忌の年に、名所を巡り歌をつづる旅に出ます。
旧暦3月27日早朝に門人杉山杉風の別宅採茶庵を出発し、
最初についた千住で詠んだ句が

「行く春や 鳥啼(なき) 魚の目は泪」

これを「矢立初めとする」と、洒落た表現でつづっています。
有名な『おくの細道』の冒頭です。

矢立各種 江戸~明治時代

皆様も、携帯電話を粋な矢立に持ち替えて、
300年後の、24世紀の日本人が感動するような
春のうたをよみにでかけてみませんか?

提物屋 吉田ゆか里

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